概要
コンテナ・オーケストレーター:Kubernetes
大量のコンテナの管理・運用を可能にし、本番環境でのコンテナ利用を具現化
複数コンテナのデプロイ、スケーリング等を自動管理するプラットフォーム
- 自動分散配置(HWを意識しない)
- 複数コンテナをまとめて制御(Pod)
- 手動/自動でスケーリング
- 障害時のPod再立ち上げ
- ローリングアップデート
- クラスター内/外のネットワークアクセスの管理
アプリケーションがコンテナベースで安定して本番稼働するために必要となる基本的な機能がまとまっている。
Verrazzano などの”コンテナ管理プラットフォーム製品“ は
Kubernetesに足りない機能を補完する
コンテナ管理プラットフォーム製品 = Kubernetes + ①〜⑤の機能を追加した製品
- Oracle Verrazzano
- Red Hat OpenShift
- VMware Tanzu など
Oracle Verrazzano Enterprise Container Platformとは
Kubernetesのマルチクラスタ環境に対応したコンテナアプリケーション管理運用環境で、Kubernetesを補完するOSS群を搭載し、多種多様なコンテナアプリケーションの稼働をサポートします。
Verrazzano の基本構成
マルチKubernetesクラスタ
Open Application Model
MicrosoftとAlibabaが立ち上げ
CNCFコミュニティが主導するアプリケーション モデリング仕様
オラクルはコミュニティに参加し、仕様策定に貢献
仕様の目標
- 汎用的なアプリケーション定義を実現する
- アプリケーション開発者、アプリケーションオペレータ、およびプラットフォームオペレータの役割と作業を分離
- OAMプラットフォームプロバイダがネイティブAPIを利用できるようにする
OAMを利用した複数のアプリケーション定義
Component
- 各ワークロード(アプリケーション)の構成や定義
- ここで定義したComponent名をApplication Configuration側で定義
- 基本的にはDeploymentリソースと同様のテンプレートを使用
- imageのURL
- コンテナアプリケーションの開放ポートなど
Application Configuration
- 各アプリケーションをComponentとして定義(複数定義可能)
- Traitと呼ばれるIngressやメトリクス収集などのコンテナアプリケーション運用上のコンポーネント群を定義
Verrazzanoの独自機能
インテリジェント・ワークロード・ハンドリング
ワークロード(各種アプリケーション)に合わせて必要なOSSコンポーネント/K8sのサービスが自動でロード・起動
WebLogic Server/Coherence/Helidonはワークロードが定義済み – Operatorが自動で起動
VerrazzanoはCloud Nativeなアプリケーションを実現するための多くのOSSソリューションからOracleが厳選して組み合わせたオープンソースで構築される統合プラットフォームになっています。
非常に多くのOSSソリューションを組み合わせて一つのシステム体系として実現・維持していくことはエンドユーザにとって大きな負担になることが多いですが、Verrazzanoではそれを解決する形で統合プラットフォームとして提供しています。
運用に必要な各種レイヤー毎にVerrazzanoとして各OSSプロダクトを組み合わせて提供しています。
レポジトリについても既にGithub上公開されています。
既存WebLogicアプリケーションの移行ステップ
WebLogic Kubernetes Toolkitとの連携でVerrazzano/Kubernetes環境へ
Verrazzano Enterprise Container Platform 利用のメリット
マルチKubernetesクラスタ
- 可用性の向上、Kubernetes等のバージョンアップの容易化、クラスタ単位での用途設定が可能
- 実際のシステム用途に適合
インテリジェント・ワークロード・ハンドリング
- コンテナアプリケーションを自動的に判断し、環境をセットアップを補助
- OSSコンポーネントのインストールや設定の負担を軽減
アプリケーションライフサイクル管理
- オープンな仕様をベースに、コンテナアプリケーション群をシステムレベルで標準的に定義・運用できる
- アップデートされたアプリのみが更新される、アプリ単位のライフサイクルを運用管理
活用するOSS群の運用負担を軽減
- Verrazzanoのバージョンアップとともに新バージョンが提供、搭載する全OSS製品の商用サポートを提供
WebLogic Serverアプリのコンテナへの移行
- WebLogicワークロードの事前定義により、簡易に既存WebLogicアプリをVerrazzanoで管理
競合製品への優位性
Oracle VerrazzanoとRed Hat OpenShift/VMware Tanzuの違いと優位性
Oracle Verrazzano | Red Hat OpenShift | VMware Tanzu | |
---|---|---|---|
製品のポジション | ・コンテナアプリ・プラットフォーム製品 ・Kubernetesの上位レイヤ | ・コンテナアプリ・プラットフォーム製品 ・Kubernetesに機能追加 | ・コンテナアプリ・プラットフォーム製品 ・VMWare + Kubernetes |
選択できるKubernetes | OCNE/OKE/Generic Kubernetes | 自社提供Kubernetesのみ | 自社提供Kubernetesのみ |
CI/CDを含む アプリ開発機能 | Jenkins/Gitlab等外部ツールとの連携 | 製品内機能で提供 | 製品内機能で提供 |
マイクロサービス アプリ構成と運用機能 | あり オープンスタンダードに準拠 | あり 独自仕様 | なし? |
製品の指向性・特徴 | ・CNCF等の標準に準拠 ・WebLogic/Coherence/Helidonユーザに機能を自動化 ・シンプルなマイクロサービス構築 ・OSSツール群のセットアップ自動化 | ・独自実装 ・Kubernetesやクラウドネイティブ技術に準拠 ・使いこなす難易度高 ・使いこなすほどロックイン | ・vSphere/vCenterなどVMware技術にKubernetesを統合 ・さらにPivotalなどの買収製品を盛り込む |
オープンスタンダード型 + Oracle製品だとさらに楽 | ロックイン型 + Kubernetes技術で頑張る | ロックイン型 + Kubernetes技術で頑張る |
Verrazzano Premierのサブスクリプション価格
サブスクリプション(1年) | 価格(税別) | メトリック(購入単位) |
---|---|---|
Oracle Verrazzano Premier | ¥3,710,000 | 物理CPU (ソケット) ペア |
- https://www.oracle.com/assets/els-pricelist-070592.pdf
- ソケットペア(2ソケット)単位に課金、端数は繰り上げ
- サーバに対してソケット数の制限なし
- Oracle Linux Premier の購入と利用が前提
サブスクリプション(1年) | 価格(税別) | メトリック(購入単位) |
---|---|---|
Oracle Linux Premier | ¥216,845 | 物理CPU (ソケット) ペア |
- ソケットペア(2ソケット)単位に課金、端数は繰り上げ
- サーバに対してソケット数の制限なし
- Oracle Container Native Environment (OCNE) のサポートを同梱