Oracle Linux KVM

概要

Linux KVMとは、KVM (Kernel-based Virtual Machine:カーネルベースの仮想マシン) は、Linuxに組み込まれたオープンソースの仮想化テクノロジーです。
具体的には、KVMを使用すると、Linux をハイパーバイザーに変貌させることができます。これによりホストマシンは、ゲストや仮想マシン (VM) と呼ばれる複数の独立した仮想化環境を稼働させることができます。


特徴

  • 最適化されたオープンソース・ハイパーバイザー
  • Oracle Linux Virtualization Managerによる管理の簡素化
  • ハイブリッド・クラウド向けに設計
  • VMをクラウドに簡単に移行可能
  • 再起動なしのセキュリティ更新
  • Oracleソフトウェアのハード・パーティショニング

価格

製品名/サポートレベル価格
(税別)
サービス内容
Oracle Linux Premier (1年)
物理CPU数:2ソケット単位
216,845円・修正のバックポート (Premier Backport)
・Kspliceによるゼロ・ダウンタイムのカーネルアップデート
・Oracle Linux Networkのすべてのサービス
・My Oracle Support(Webベースの顧客サポート・システム)への24時間365日のアクセス (サービス・リクエスト(SR)のオンライン登録)
・Oracle Management Pack for Linux のご利用・サービス・リクエストの電話・WEBでのサポート
・Oracle Clusterware利用可能

基本機能

oVirt エンジン

Webサービスとして動作し、サーバーおよびデスクトップ仮想化の集中管理を行う、JBossベースのJavaアプリケーションです。

含まれる機能

  • Oracle Linux KVMホストの管理
  • 仮想マシンの作成、デプロイ、起動、停止、移行および監視
  • 論理ネットワークの追加と管理
  • 記憶域ドメインと仮想ディスクの追加と管理
  • クラスタ、ホストおよび仮想マシンの高可用性の構成と管理
  • ライブ仮想マシンの移行と編集
  • リソース使用量とポリシーに基づく仮想マシンでの継続的なロード・バランシング
  • 仮想マシン、ホスト、ストレージ、ネットワークなど、環境内のすべてのオブジェクトの監視

Oracle Linux KVM ホスト

Oracle Linux KVMホストは、仮想マシンを実行するためのコンピュート・リソースを提供します。

カーネル・ベースの仮想マシン(KVM)とQuick EMUlator(QEMU)

QEMU:

QEMU を使用すると、CPU、メモリー、ネットワーク、ディスク・デバイスなど、仮想マシンのハードウェアをエミュレートすることにより、KVM が完全なハイパーバイザになることが可能になります。

KVM:

KVM により、QEMUで仮想マシン上のコードをホストCPU上で直接実行できるようになります。これによって、Guest OSは、変更を行わずにホストのリソースに直接アクセスできます。


ホスト・エージェント(Virtual Desktop and Server Manager (VDSM))とlibvirt

VDSM サービス:

QKVM ホスト、仮想マシン、ネットワークおよびストレージを管理するために必要なすべての機能をカバーするホスト・エージェントです。oVirt エンジンと KVMホスト間のすべての通信は、KVMホスト上で実行される VDSMサービスによって処理されます。

libvirtデーモン:

Oracle Linux KVMホスト上でサービス(libvirtd)として実行され、Oracle Linux KVMを含む様々なハイパーバイザを管理するためのアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を提供します。VDSM は libvirtを使用して、ホスト上の仮想マシンおよびその仮想デバイスの完全なライフ・サイクルを管理し、それらに関する統計を収集します。


Oracle Linux KVM ホスト

ゲスト・エージェント

ゲスト・エージェントは VM 内部で実行し、リソースの使用状況に関する情報を oVirtエンジンに提供します。ゲスト・エージェントとエンジン(oVirtエンジン)の間の通信は、仮想化シリアル接続を介して実行されます。

ゲスト・エージェントは次のものを提供

  • oVirt エンジンとゲストの間の情報、通知およびアクション
  • oVirt エンジンに対してゲスト・マシン名、ゲスト・オペレーティング・システム、およびその他の詳細(関連IPアドレス、インストールされているアプリケーション、ネットワークとRAMの使用状況など)

データ・ウェアハウスおよびデータベース

OLVM には、2つのPostGreデータベースがあります。
エンジン構成によって、engineというPostgreSQLデータベースと ovirt-engine-dwh パッケージをインストールした場合、ovirt_engine_history という2つ目のデータベースが作成されます。

PostGreデータベース

エンジン・データベース(engine):

OLVM 環境の状態に関する永続的な情報と、その構成およびパフォーマンスが格納されます。履歴構成情報および統計メトリックは、1分ごとに収集されます。

データ・ウェアハウス・データベース:

データ・センター、クラスタおよびホストの履歴構成情報および統計メトリックを任意のアプリケーションで取得するために使用できる管理履歴データベース(ovirt_engine_history)です。


管理インタフェース

OLVM には 環境の構成と管理に使用できる2つのポータル(「管理ポータル」と「VMポータル」)が用意されています。管理ポータルは、oVirt Engine サーバーのグラフィカル管理インタフェースで、実行できるタスクは以下の通りです。

実行できるタスク

  • 仮想インフラストラクチャ(ネットワーク、記憶域ドメイン)の作成および管理
  • ホストのインストールおよび管理
  • 論理エンティティ(データ・センター、クラスタ)の作成および管理
  • 仮想マシンの作成および管理
  • oVirtユーザーおよび権限管理

Oracle Linux Virtualization Manager の基本機能

すべての主要なOracle VM 3.4機能は引き継がれております。

VM 管理
VM HA ポリシー
Live Migration
RestAPI
Storage, Networking
Virtual Appliances(テンプレート)
状態確認, アラート
Maintenance モード


OLVM 4.3.6 の新機能

  • スナップショット
  • ロールベースアクセス
  • Self-hosted engine
  • Virt-v2v utility

Oracle Linux KVM and Oracle Linux Virtualization Manager

Solution Overview

Guest OS Support

  • Oracle Linux 5/6/7/8
  • RHEL 5/6/7/8
  • CentOS 5/6/7/8
  • Windows Desktop 7, 8, 10
  • Windows Server 2008, 2012, 2016, 2019

ハードパーティショニングのライセンスコスト改善

ハードパーティショニングのOracleソフトウェアライセンス

Oracle Linux KVMでは、仮想マシンはサーバー上の特定の物理コアにピン留め/ハードパーティショニングすることができます。ハードパーティショニングされると、1つのOracle Database EE VMゲストに必要なライセンス付与は、ピン留めされた物理コア数のみになります


Oracle Linux KVMサービス内容

サービス内容Linux Premier
問い合わせ(回数無制限)
バッチ・修正プログラムセキュリティ・ アラートへのアクセス
My Oracle Supportへのアクセス
Oracle Unbreakable Linux Networkへのアクセス
ハードウエア動作保証
バックボードの修正プログラム
Oracle Management Park for Linuxの使用権
Oracle Enterprise Linux・Oracle KVM テクニカルサポートポリシー[オラクル社]