2025年6月、待望のOracle Linux 10がリリースされました。既存のOracle Linux 8/9ユーザーの皆様にとって、最大の関心事は「いつ移行すべきか」、そして「何が変わったのか」ではないでしょうか。
Oracle Linux 10は、サポート期間が2035年までと非常に長い安心感がある一方で、古いCPU(x86-64-v2以前)の切り捨てや、Redis・ISC DHCPといった長年親しまれたパッケージの変更など、インフラエンジニアが見落とせない重要な変更が含まれています。
本記事では、Oracle Linux 8/9 から移行を検討するエンジニアに向けて、Oracle Linux 10の主要な変更点やRHELとの違い、移行時の注意点をわかりやすく整理します。移行判断の材料として、ぜひ参考にしてください。
- 1. Oracle Linux 10がリリース
- 2. Oracle Linuxのサポート期間
- 3. Oracle Linux 10の主要な新機能と変更点
- 3.1. システム要件
- 3.2. 主要コンポーネントバージョン
- 3.3. インストールとブート
- 3.4. セキュリティ
- 3.5. Cockpit Webコンソールの強化
- 4. 非推奨および削除された機能
- 4.1. 非推奨になった機能
- 4.2. 削除された機能
- 5. RHELとの関係性と独自機能
- 5.1. 機能の違い
- 5.2. UEKとユーザー領域の互換性
- 5.3. 互換性維持のためのOpenELA Project
- 6. Oracle Linux 10への移行
- 6.1. OS移行で考えること
- 6.2. 移行方式
- 7. まとめ:Oracle Linux 10は「安定志向」かつ「モダン」な選択肢
- おまけ. Oracle VirtualBoxにインストールでつまずいた話
1. Oracle Linux 10がリリース
2025年6月にOracle Linux 10がリリースされました。Oracle Linuxは約3年間隔で新しいメジャーバージョンをリリースしているので予定通りです。
主な新機能は以下の通りです。
- より高性能な新しいカーネルの採用
- OpenSSHやOpenSSLなどセキュリティの強化
- GCCやJava、Rust、Goなどの最新の開発版ツールを統合
- PodmanやBuildahなどコンテナ機能の強化
正常進化形のバージョンで、Oracle Linux 8/9ユーザーにとって違和感なく使用できるでしょう。以前Oracle Linux 7のときには、SysVinit/Upstartがsystemdに変更されるのを筆頭として大幅に操作系が変更されて戸惑いましたが、今回は大きな変更はありません。
2. Oracle Linuxのサポート期間
既存のOracle Linuxユーザーにとって、Oracle Linux 10を検討する最大のモチベーションはサポート期間の長さでしょう。図01と表01がOracle Linuxのサポート期間を表したものです。システム更改の間隔が一般的に4年から5年であることを考えると、最低でもOracle Linux 9、できればOracle Linux 10を使いたいところです。
図01 Oracle Linuxのサポート期間

表01 Oracle Linuxのサポート期間
| Version | GA | Premier Support終了 | Extended Support終了 |
|---|---|---|---|
| Oracle Linux 7 | 2014/7 | 2024/12 | 2029/7 |
| Oracle Linux 8 | 2019/7 | 2029/7 | 2032/7 |
| Oracle Linux 9 | 2022/6 | 2032/6 | 2035/6 |
| Oracle Linux 10 | 2025/6 | 2035/6 | 2038/6 |
Premier Support終了までは、Oracle Linux Support契約者だけでなく、サポート非契約者でもアップデートパッケージを入手できます。また、Premier Support期間終了後のExtended Support期間中は、Oracle Linux Supportに加えて、Extended Support契約ユーザーだけがアップデートパッケージを入手できます。これをまとめたのが表02です。
表02 Premier Support期間とExtended Support期間の違い
| サポート期間 | 内容 |
|---|---|
| Premier Support期間 | ・サポート契約の有無にかかわらずアップデートパッケージを入手可能 ・サポート契約者は24*365の問い合わせサポートに加えて、KspliceやOS Management Hubなど高度な機能を利用可能 |
| Extended Support期間 | ・Oracle Linux SupportとExtended Supportの両方を契約しているユーザーに限りアップデートパッケージを入手可能 ・Oracle Linux SupportだけのユーザーはSustaining Support期間となり、問い合わせだけのサポートになる |
Oracle Linux Supportの詳細は下記ページをご覧ください。
3. Oracle Linux 10の主要な新機能と変更点
Oracle Linux 10の新機能や変更点、非推奨になった機能はリリースノートに書かれています。今回はその中から重要なものを紹介します。
なお、リリースノートは10.0や10.1などマイナーバージョンごとにあります。しかし、2026年1月時点で最新は10.1ですが、日本語版は10.0しかありません。その場合には、英語版のマニュアルも確認してください。今回は10.0と10.1の情報をベースに記載します。

3.1. システム要件
CPUやメモリ、ディスクなどのシステム要件は従来とほとんど変わりません。詳細は「Oracle Linux: 制限」をご覧ください。ただし、1つだけ注意点があります。それは対応するCPUのマイクロアーキテクチャレベルです。x86系で対応しているのはx86-64-v3以降です。
- AMD および Intel 64 ビットアーキテクチャー (x86-64-v3)
- 64 ビット ARM アーキテクチャー (ARMv8.0-A)
x86-64マイクロアーキテクチャレベルとは、CPUで利用可能な命令セットの対応レベルです。基本的にCPUは世代が進むごとに利用可能な命令セットが増加します。そのレベルに応じて、x86-64-v1やx86-64-v2のように命名されています。
x86-64-v3とは、2013年に登場したIntel Haswellや2015年に登場したAMD Excavator世代以降のCPUが対象です。これまでのカーネルはx86-64-v1やx86-64-v2以降にも対応していましたが、Oracle Linux 10は古いサーバーでは動作しません。
現在使用しているサーバーのアーキテクチャレベルは、Oracle Linux 9以降(glibc 2.33以降)であれば次のコマンドで判別できます。supportedと表示されているのが対応しているアーキテクチャレベルです。
$ ld.so --help
中略
Subdirectories of glibc-hwcaps directories, in priority order:
x86-64-v4
x86-64-v3 (supported, searched)
x86-64-v2 (supported, searched)
3.2. 主要コンポーネントバージョン
Linuxディストリビューションに含まれる多くのコンポーネントがバージョンアップされています。Oracle Linux 10.1ではUEKとRHCKの2つのカーネルが含まれ、デフォルトがUEK(Unbreakable Enterprise Kernel)となっています。そのほかの主要コンポーネントは表03やリリースノートをご覧ください。
- UEK: kernel-uek-6.12.0-105.51.5
- RHCK: kernel-6.12.0-124.8.1
表03 Oracle Linuxの主要コンポーネントバージョン
| パッケージ | Oracle Linux 8 | Oracle Linux 9 | Oracle Linux 10 |
|---|---|---|---|
| kernel(※1) | UEK R7(5.15.0) RHCK(4.18.0) | UEK R8(6.12.0) RHCK(5.14.0) | UEK R8(6.12.0) RHCK(6.12.0) |
| glibc | 2.28 | 2.34 | 2.39 |
| 標準Python(※2) | 3.6 | 3.9 | 3.12 |
| OpenSSH | 8.0 | 8.7 | 9.9 |
※1. Oracle Linuxはサポート期間が長いため、1つのメジャーバージョンで複数リリースのUEKをサポートしています。上記表のUEKは8.7や9.10など新しいバージョンにおける状況です。8.1や9.1では、この表とは異なります。
※2. 標準Pythonとは、OSの必須アプリケーションで利用され強制的にインストールされるPythonのことを指します。Oracle Linuxのリポジトリで、上記バージョン以外のPythonもインストール可能です。
なお、Oracle LinuxのバージョンごとのRHCKとUEKの関係は「Oracle Linux and Unbreakable Enterprise Kernel (UEK) Releases」をご覧ください。
3.3. インストールとブート
3.3.1. rootユーザー無効化とデフォルトユーザー
インストーラーのデフォルト設定ではrootユーザーは無効化されています。また、新規作成するユーザーはデフォルトで管理者権限(wheelグループ)が付与されています。ただし、rootを無効化したときは管理者権限を持つユーザーが必要なため、新規ユーザーの作成は必須となります。つまり次のどちらかの選択する必要があります。
- rootを無効化、新規ユーザーを管理者権限付きで作成
- rootを有効化、新規ユーザーの作成は任意
今回の変更は「rootユーザーを利用可能な状態で残しておくと脆弱性の原因になるから無効にして、その代わり別の名前で作成した管理者権限を持つユーザーを使いsudoで管理して」ということでしょう。
なお、rootユーザー無効化した場合でも、rootユーザーは存在します。パスワードが設定されてないので利用できないだけです。
実際のインストーラー画面で説明します。ユーザーの設定を見てください。rootはデフォルトで無効になっています。

rootアカウントをクリックすると次の画面が表示され、無効化されていることが分かります。

ユーザーの作成をクリックすると次の画面が表示され、「ユーザーアカウントに管理者権限を付与する」にチェックが入っていることが分かります。

ユーザーの作成でoracleというユーザーを作成し、ログイン後に所属しているグループを確認します。すると管理者権限を表すwheelグループに属していることが分かります。
$ id
uid=1000(oracle) gid=1000(oracle) groups=1000(oracle),10(wheel) context=unconfined_u:unconfined_r:unconfined_t:s0-s0:c0.c1023
3.3.2. パッケージリポジトリ
デフォルトで有効になっているのは以下のリポジトリです。
- BaseOS
- AppStream
- UEK
BaseOSリポジトリは、すべてのインストールのベースとなる、基本的なオペレーティングシステム機能のコアセットです。AppStreamリポジトリは、さまざまなワークロードに対応するユーザー空間アプリケーションやランタイム言語、データベースなどです。UEKリポジトリは、UEK(Unbreakable Enterprise Kernel)です。
$ dnf repolist
repo id repo name
ol10_UEKR8 Oracle Linux 10 UEK Release 8 (x86_64)
ol10_appstream Oracle Linux 10 Application Stream Packages (x86_64)
ol10_baseos_latest Oracle Linux 10 BaseOS Latest (x86_64)
3.3.3. Application Streams
複数のバージョンのユーザー空間コンポーネントをサポートするため、Application Streamsとして配信されます。Linuxのコアコンポーネントが10年単位でサポートされるのに対し、ユーザー空間アプリケーションのライフサイクルは短いことが多いため、安定性に影響を及ぼさず、新しいテクノロジーを取り入れる仕組みです。
Oracle Linux 8まではモジュールという形式でしたが、Oracle Linux 9以降は、通常のdnf installでバージョン解決がしやすくなりました。Oracle Linux 10はリリースから1年たってなく、新しいアプリケーションがリリースされていないため、代わりにOracle Linux 8/9の実行例を紹介します。
Oracle Linux 9
$ dnf list "python*"
★中略
python3.x86_64 3.9.18-3.el9_4.1 @anaconda
★中略
python3.11.x86_64 3.12.9-1.el9 ol9_appstream
★中略
python3.12.x86_64 3.12.9-1.el9 ol9_appstream
$ dnf install python3.12(バージョン付きでパッケージ名を指定)
Oracle Linux 8
$ dnf module list 'python*'
AppStream
Name Stream Profiles Summary
python27 2.7 [d] common [d] Python programming language, version 2.7
python36 3.6 [d][e] build, common [d] Python programming language, version 3.6
python38 3.8 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.8
python39 3.9 [d] build, common [d] Python programming language, version 3.9
Hint: [d]efault, [e]nabled, [x]disabled, [i]nstalled
$ sudo dnf module enable モジュール名指定(ここでバージョンを指定)
$ sudo dnf install パッケージ名
3.3.4. VNCからRDPへの変更
GUIクライアントのためのVNCサーバー(tigervnc-server)はOracle Linux 9で非推奨になり、Oracle Linux 10で廃止されました。今後はRemote Desktop Protocol (RDP)を利用してください。ただし、VNCクライアントは使用可能です。
3.3.5. /etc/fstabにおける論理ボリュームのUUID化
10.1では/etc/fstabにおける論理ボリュームの記述がUUID形式になりました。UUIDはユニークであることが保証されているため、設定の堅牢性と一貫性を保つための変更です。
Oracle Linux 10
UUID=58e8f5a6-4096-4730-ac6c-a2d1e3aabf6b / xfs defaults 0 0
UUID=894157b8-727b-4abd-8b20-9e27500b528f /boot xfs defaults 0 0
UUID=513ecc82-c2a6-48ff-8359-03c8cb8fce0d none swap defaults 0 0
Oracle Linux 9
/dev/mapper/ol-root / xfs defaults 0 0
UUID=1e18d670-a97a-4d42-83d9-7ff1d6afc88d /boot xfs defaults 0 0
/dev/mapper/ol-home /home xfs defaults 0 0
3.4. セキュリティ
多くのパッケージがバージョンアップされ、より強固なセキュリティを実現しています。代表的な3つを紹介します。
3.4.1. OpenSSH 9.9の採用
従来の8.7から9.9になり、OpenSSHの機能が強化されています。詳細はリリースノートの「2 新機能および変更点」-「セキュリティ」をご覧ください。
3.4.2. 耐量子コンピュータ暗号(Post-Quantum Cryptography)
10.1からは量子コンピュータでも解読が困難な次世代の暗号技術の耐量子コンピュータ暗号/ポスト量子暗号(Post-Quantum Cryptography)がデフォルトで有効になっています。
3.4.3. 暗号学的ハッシュ関数SHA-1の無効化
暗号学的ハッシュ関数のSHA-1は脆弱性を指摘されているため完全に利用できなくなりました。
3.5. Cockpit Webコンソールの強化
Webベースのシステム管理ツールCockpit Webコンソールが機能強化され、これまで以上に多くの管理タスクを実行できるようになりました。それに伴い、仮想マシンのGUI管理ツールVirt-Managerは非推奨となり、PacemakerのWeb管理ツールpcsd Web UIは削除されました。
4. 非推奨および削除された機能
非推奨となった機能や削除された機能を紹介します。非推奨とは、現時点では使用できても、将来的に使用できなくなる可能性がある機能のことです。事前に確認して使用しない設計にすることをおすすめします。
4.1. 非推奨になった機能
4.1.1. scpプロトコルの非推奨
以前scpコマンドはscp独自のプロトコルを使用していました。脆弱性を指摘されることが多くなったため、scpプロトコルは非推奨となっています。ただし、現在scpコマンドはデフォルトでSFTPプロトコルに置き換えられるため、コマンドの使用は問題ありません。
4.1.2. wgetの非推奨
wgetが非推奨になりました。代わりにcurlを使用することを検討してください。
4.2. 削除された機能
4.2.1. ISC DHCPの削除
従来のISC DHCPは削除され、ISC Kea DHCPに置き換えられました。設定ファイルに互換性がなく、コマンドも異なるため移行には注意が必要です。
4.2.2. Redisの削除
インメモリデータベースRedisのライセンスが変更されたため、Redis 7.2.4からフォークして開発されたValkeyに置き換えられました。両者は互換性があるので移行は難しくないでしょう。
4.2.3. sendmailの削除
長い間使用されてきたsendmailは削除されました。代わりにPostfixを使用してください。
4.2.4. GFS2ファイルシステムの削除
共有クラスター用ファイルシステムGFS2が削除されました。
4.2.5. pcsd Web UIの削除
高可用性クラスタシステムPacemakerのpcsd Web UIが削除されました。代わりに Cockpit Webコンソールを使用してください。
4.2.6. Dockerのコンテナランタイムrunc削除
Dockerのコンテナランタイムruncが削除されました。代わりに、より高速でリソース利用効率の高いcrunを使用してください。コンテナの管理、実行ツールのPodmanと組み合わせて使用します。
5. RHELとの関係性と独自機能
Oracle LinuxはRed Hat Enterprise Linuxの互換ディストリビューションですが違いもあります。そのあたりを説明します。機能だけの比較でライセンスやサポートなどは含みません。
5.1. 機能の違い
Oracle LinuxはRed Hat Enterprise Linuxの互換ディストリビューションなので、OSとしての基本機能は同じです。違いは付加機能です。
Oracle Linuxだけにある機能
- Unbreakable Enterprise Kernel (UEK):Red Hatより新しいベースカーネルを採用し、より高性能を追求。Exadataでも使用しておりOracle Databaseに最適化。ドライバやサードパーティアプリケーションなどRHELと完全な互換を望むユーザーにはRHCKを提供
- ダウンタイムなしにパッチ適用可能なKspliceの提供(Premier Support契約が必要)
- Solaris譲りの高性能システムトレースツールDTrace
Red Hat Enterprise Linuxだけにある機能
- AI活用としてのRed Hat Enterprise Linux Lightspeed(旧称 Red Hat Insights)
- コンテナ環境で便利なUniversal Base Images(UBI)やImage Mode for RHELなどのクラウドネイティブ機能
5.2. UEKとユーザー領域の互換性
Oracle Linuxは、Red Hat Enterprise Linuxとユーザーモード(ユーザー領域)の互換性を持っています。RHCKだけでなくUEKを使用する場合も同様です。そのためユーザーモードで動作するアプリケーションは、Oracle Linuxでも動作します。詳細は下記コラムをご覧ください。
5.3. 互換性維持のためのOpenELA Project
Red Hat社のソースコード非公開化のため、現在のOracle LinuxはCentOS Streamをベースに開発されています。また、Oracle社はRed Hat Enterprise Linuxとの互換性を維持するため、SUSE社やRocky LinuxのCIQ社などと共にOpenELAというEnterprise Linuxを推進するプロジェクトを推進しています。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
6. Oracle Linux 10への移行
開発環境では移行のハードルは少ないですが、ビジネスで本番利用するシステムでは、さまざまなことを検討する必要があります。移行はOracle Linux 10固有の問題ではなく、一般的なシステム課題なので、ここでは簡単に説明します。
6.1. OS移行で考えること
移行で考えることはたくさんあります。主な項目は、このあたりでしょう。
- 互換性チェック(ハードウェア/サードパーティソフトウェア)
- データ移行方式
- テスト戦略(開発環境でのPoC)
- アップグレード方式(インプレース/アウトオブプレース)
- システムライフサイクルを考慮したバージョン選択
とくに問題になるのは互換性チェックです。
- 物理サーバーの場合、ハードウェア認証されているか
- サードパーティアプリケーションの場合、動作環境としてサポートされているか
使用しているアプリケーションが、Linuxディストリビューションに含まれているパッケージやOSSだけの場合には問題になりづらいのですが、サードパーティアプリケーションを使用している場合には十分な調査が必要です。また、物理サーバーを使用する場合には、対応ハードウェアも確認する必要があります。
Oracle社の下記ページや各ベンダーのページで確認してください。
6.2. 移行方式
インプレースアップグレードユーティリティLeappは知らないかたが多いので説明します。
Oracle Linux 10への移行には次の2つの方法があります。
- インプレースアップグレード:既存環境を直接アップグレード
- アウトオブプレースアップグレード:既存環境には手を付けず、別環境を用意してアップグレード
Leappユーティリティを使用すると、Oracle Linux 9からOracle Linux 10にインプレースアップグレードが可能です。ただし、制限事項が多いので、よほど切迫した理由がない限りアウトオブプレースアップグレードを推奨します。
- 移行元はOracle Linux 9のみ
- Leapp実行前に、最新カーネルにアップデートする必要がある
- Oracle DBがインストールされている場合は対象外
インプレースアップグレードは「Oracle Linux 10 Leappによるシステムのアップグレード」をご覧ください。
7. まとめ:Oracle Linux 10は「安定志向」かつ「モダン」な選択肢
Oracle Linux 10は、長期サポートや最新カーネル、強化されたセキュリティ、Cockpit の拡張など、エンタープライズ用途に求められる要素を着実に進化させています。一方で、CPU要件の変更や削除されたパッケージなど、既存環境に影響するポイントも少なくありません。
本番環境での移行には互換性チェックや検証が不可欠ですが、長期的な運用を考えるとOracle Linux 10は「安定志向」かつ「モダン」な選択肢と言えるでしょう。
移行の判断ポイントは「6. Oracle Linux 10への移行」で説明したことに加え、下記のことにも注意する必要があります。
- ハードウェア: x86-64-v3対応(Haswell世代以降)のサーバーであるか
- ミドルウェア: ISC DHCPや従来のRedisに依存した構成ではないか
- 運用: VNCではなくRDPでの管理に切り替えられるか
特にハードウェア要件については、本番環境だけでなく、検証用の古いサーバーや仮想基盤でも影響が出る可能性があります 。まずはVirtualBox 7.1.12以降 などの対応環境でISOイメージをダウンロードし、新しい操作感を試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
ISOイメージは「Oracle Linux Installation Media」からダウンロードできます。
おまけ. Oracle VirtualBoxにインストールでつまずいた話
今回検証するにあたりWindows版Oracle VirtualBoxを使用しました。そこでつまずいたので共有します。ISOイメージをセットして仮想マシンを起動したところ、以下のエラーが出てインストール画面に遷移できませんでした。
Warning: Deprecated Hardware is detected: x86_64-v2
原因はOracle VirtualBoxのバージョンが古かったためです。VirtualBox 7.1.12 r169112以降を使用してください。
これにはもうひとつワークアラウンドがあります。それはWindowsの仮想化機能を無効にする方法です。ただし無効にすると、現在利用している機能に問題がある可能性もあるので、最後の手段として検討してください。といいつつ、筆者はこのワークアラウンドを採用しました。
- Win + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き
optionalfeatures.exeを実行します。 - Windowsの機能が表示されるので以下の項目のチェックを外して「OK」をクリックします。
- Hyper-V プラットフォーム(Windows 10/11 Proのみ)
- Virutal Machine Platform
- Windows ハイパーバイザー プラットフォーム
- Windows サンドボックス(Windows 10/11 Proのみ)

3.再起動を求められたら「今すぐ再起動」を選択します。


